その勘違い待った!誤解されやすい猫エイズについて話します。

猫エイズ

猫エイズとは、猫後天性免疫不全症候群と呼ばれることで知られています。エイズと言う呼び方から、敬遠されがちな猫の病気の一種です。皆さんは猫エイズについて、どれほどの知識を持っているでしょうか?

「すぐに死んじゃうの?」

「家族にうつる?」

「これからどうやって一緒に暮らしてゆけばいい?」

猫エイズは正しい知識を持ち、対処していくことが大切です。それでは一緒に、猫エイズについてお勉強していきましょう!

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勘違いされやすい猫エイズとは?

猫エイズは人にはうつらない

「猫エイズ(正式名:猫後天性免疫不全症候群)」の原因は「猫免疫不全ウイルス(FIV)」です。このウイルスは猫にだけ感染します。人や犬などには感染しません。人のエイズ(HIV感染症)と症状が似ているので「猫エイズ」と呼ばれているだけで、人のエイズとは全く異なる病気。「猫だけの病気」です。

猫エイズはケンカでうつる

猫エイズは、主に猫同士のケンカでうつります。感染している猫の「だ液」や「血液」の中にいるウイルスが、ケンカによる咬み傷からうつってしまうのです。勘違いされやすいですが、交尾による感染の可能性は高くありませんし、空気感染もしません。

猫エイズがうつる=死ではない!

猫エイズに感染してすぐに亡くなることは滅多にありません。感染直後の数か月は風邪症状や下痢、貧血などがでますが、これらの症状は自然と治ります。それから4〜5年(場合によっては10年以上)、他の猫と変わりない健康な生活が過ごせます。

最終段階に進むと、免疫機能が低下して、口内炎や下痢、腫瘍、さまざまな感染症などをおこして亡くなってしまいます。「やっぱり最後は死んじゃうのか……」と落胆しないでください。最終段階に進むことなく、無症状のまま長生きする猫も沢山いますよ。

猫エイズは治せない

残念ながら、今はまだ根本的な治療法(ウイルスを撃退する方法)は見つかっていません。でも悲観することはありません。海外の複数の調査によると、猫エイズの猫とそうではない猫との平均寿命に差はないそうです。猫エイズに感染してしまっても、うまく付き合ってゆくこともできるのです。

予防も出来る!?

猫のエイズにはワクチンがあり、初めてワクチンを接種する猫は、2~3週間の間隔で3度接種し、翌年からは、年に1度の接種で予防することができます。ワクチンの費用は病院によって異なりますが、おおよそ4,000円~9,000円ほどです。ですが、ワクチンはあくまで予防なので、100%感染しないようにするのではなく、実質70%程しか感染を防げません。また副作用が出る猫もいます。これらのことを注意しておきましょう。

近年、感染予防のワクチンも開発されましたが、その予防率や副作用などについて明確になっていない部分があります。よほどの理由がない限りはワクチン接種をすすめない獣医師が多いようです。

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猫エイズとうまく付き合ってゆくコツ

ずばり「猫エイズの最終段階に進まないようにすること=無症状のままでいられるようにすること」が猫エイズとうまく付き合ってゆくコツです。その具体的な方法を紹介します。

ストレスは発症要因。ストレスフリーな生活を

  • 適切な室温を維持
    →25〜30度が猫にとっての適温と言われています。特に暑さには要注意。猫が力なく体を伸ばして寝そべり、呼吸がいつもより速い場合は、暑すぎる可能性があります。
  • フードと水はいつも新鮮なものを
  • 安心できる寝床を用意
  • トイレは清潔に
  • とにかく沢山可愛がる

他の病気が、猫エイズ発症のスイッチに

  • 定期的に健康診断を受けて健康維持と病気の早期発見に努める
  • 少しでも様子がおかしいと感じたら、すぐに病院へ

他の猫への気遣いも

  • 感染を広げないために、他の猫との接触は避ける(外には絶対に出さない)

猫エイズの症状が出ていなくても、だ液や血液の中にはウイルスがいます。他の猫への感染を防ぐのがマナーです。

猫エイズの症状が出てしまったら

出ている症状に対する治療(対症療法)をして、少しでも楽にしてあげましょう。症状は多岐にわたるので、ホームドクターと相談して、その子にあった治療をすすめましょう。

猫エイズは感染予防が何より重要!

猫エイズ」はいたずらに恐れる必要がない病気とはいえ、時として命に関わる病気であることは確か。根本的な治療法が無い以上は、感染しないこと、つまり感染した猫と接触しないことが重要です。

日本の野良猫の猫エイズ陽性率がとても高いことをご存知ですか?陽性率10%以上との論文報告があります。外に出たら、高い確率で野良猫から感染してしまいます(鹿児島大学が2008年に行った調査では、週に1回以上、外に出る猫のなんと23.2%が猫エイズ陽性でした)。室内で飼い、外には絶対に出さない。それが最も確実な予防法です。

早期発見する為に飼い主が気をつけたいこと

猫エイズに感染した場合、早期発見で猫の寿命をコントロールすることも可能です。それでは早期発見する6つのポイントをご紹介します。

他の猫との接触がないか(特に野良猫)

先程も少し触れましたが、日本にいる野良猫の約10%が猫エイズに感染していると言われています。そして、メスよりオスの方が縄張り争いのために喧嘩をする割合が高いので、感染率が上がります。完全室内飼いで、他の猫との接触がない猫なら、まず安心できるでしょう。

食欲が落ちていないか

猫のエイズウイルス感染の初期症状に口内炎が見られます。猫は、この口内炎が痛くて食欲が落ちてしまうことがあります。ですが、口の中の観察って簡単ではありませんよね。猫によっては嫌がる子もいます。ですので、ごはんをしっかり食べているか、痛そうにヨダレを垂らしていないかチェックしてあげることが大切です。

風邪の症状が出ていないか

猫風邪の症状は、咳、鼻水、くしゃみ、発熱です。咳やくしゃみ、鼻水は見ればわかりますが、発熱はなかなか見分けが付きませんよね。猫の平熱は38℃~39℃で、人間よりも高いのです。触った時や抱っこした時に、いつも以上に温かく感じたり、耳がいつもよりピンクに見える場合は発熱しているおそれがあります。

猫の耳には細い毛細血管がたくさん通っています。熱がある時は体温を調節しようとしている毛細血管がピンク色に見えるのです。猫専用の体温計で調べてあげましょう。

下痢や軟便をしていないか

猫エイズの初期症状に下痢、軟便がみられます。これは、猫のトイレを観察してあげましょう。お尻の辺りの毛に付着していることもありますので、チェックして常に清潔にしてあげてください。あまりにも回数が多い時は、脱水を起こすことがありますので、水分補給をしっかりさせてあげましょう。

この時に、ぬるめの温度ですと体内に水分が入った時に吸収されやすいです。缶詰をお湯で溶いたものを与えてあげましょう。そして、下痢や、軟便の1日辺りの回数を数えて病院で伝えましょう。水分補給が必要な場合は、点滴などもしてもらえますよ。

猫エイズの検査をしてもらう

この検査は動物病院で行ってもらえます。また、野良猫を飼うことになった場合には必ず必要な検査です。猫エイズの検査は、猫白血病の検査と同時に行われるもので、採血検査になります。簡易検査では10分ほどで結果を知ることができ、費用は病院によって異なりますが、おおよそ4,000円~9,000円ほどです。

この検査には注意点があり、感染してから最低1ヶ月後に検査をしないと適正な結果になりません。そのため、感染が疑わしい時期から1ヶ月ほど期間を空けて検査をする必要があります。

猫エイズの感染経路と主な症状

猫エイズの感染経路や症状を知らないと、早期発見できるものも見落としてしまうことがあります。正しい知識を付け、愛猫を猫エイズから守りましょう。猫エイズの主な感染経路は以下のことが挙げられます。

  • 感染猫との喧嘩で出来た傷から体液の接触感染
  • 感染猫の粘膜の直接的な接触
  • 母子感染
  • 交尾

猫エイズの感染経路で最も多いのは、感染猫との接触からの喧嘩です。よって、一番効果が期待できる予防法は、他の猫との接触を避けることです。また、猫エイズに感染した場合の症状にはステージがあり、一定の順序に沿って進行していきます。主な症状は以下のことが挙げられます。

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急性期(感染して1か月後~1年)の症状

  • 風邪の症状(咳、鼻水)
  • 下痢
  • リンパ節の腫れ
  • 発熱
  • 口内炎

無症状キャリア、潜伏期(感染後2年~4年、またはそれ以上)の症状

  • 通常の健康状態を維持

持続性全身性リンパ節症期(1ヶ月~2か月程度)の症状

  • 全身のリンパ節が腫れる
  • 発熱

エイズ関連症候群期(1年~)の症状

  • リンパ節の腫れ
  • 口内炎
  • 風邪の症状(くしゃみ、鼻水)
  • 皮膚病
  • 下痢
  • 発熱
  • 体重減少

後天性免疫不全症候群期(エイズ発症)

  • 急激に痩せる
  • 貧血
  • 悪性腫瘍
  • 日和見感染
  • 口内炎
  • 呼吸器疾患
  • 皮膚病
  • 腹膜炎

このステージが主な進行の流れですが、猫によっては感染しても発病しない猫も存在し、無症状キャリア期が10年以上持続することもあります。また、猫の体内からウイルスが突然消滅することもあるのです。

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もし愛猫がエイズと診断されたら

愛猫が猫エイズと診断されたら、とてもショッキングな出来事でしょう。きっと信じられない気持ちでいっぱいになると思います。ですが、愛猫のためにも、飼い主さん自身のためにも、今後どのように病気と付き合っていくかが大切だと思います。

これは猫エイズに限らず、様々な病気にかかった時もですね。もしも、愛猫がエイズと診断された時、どのように対策をしていくかをご紹介します。

猫エイズは持病の1つと考えよう!

猫エイズは感染したからと言っても絶望的な病気ではありません!何度も言いますが発症するとは限らない病気ですし、発症せずに寿命を全うする子もいます。元気に走り回ることも出来ますし、遊ぶこともできるんですよ。なので、今後猫の一生を通じて付き合っていく持病の1つと考えましょう。

情報を集め、猫エイズについて理解する

まずは、可能な限り情報を集めましょう。今のこのご時世であれば、インターネットの検索でもたくさんヒットしますね。しかし、一番信頼を置きたいのはかかりつけの獣医師です。常に進行状況を共有して、どのような生活スタイルを送れば良いのかを確認しておくようにしましょう。そして、家族と同居されている方は相談し、お互いで情報共有してくださいね。。

普段と変わらない生活を心がける

猫エイズと診断された時はきっと動揺し、心配するでしょう。ですが、できる限り普段と変わらない生活を心がけるようにしましょう。猫は環境の変化を嫌う生き物です。飼い主さんが不安そうにしていると、猫も不安に感じてしまうのです。

必要以上に体調チェックをしたりすると、お互いにとって返ってストレスになってしまうこともあります。普段と変わらない毎日を送ることで、猫も安心できるでしょう。

かかりつけの病院の緊急、夜間診療を調べておく

猫エイズが発症し、猫の体調が悪くなった時のために、かかりつけの病院を見つけておきましょう。また、緊急や夜間診療を行ってもらえるかなどの情報も集めておいた方がいざという時に安心です。

こうすることで、病院の診察時間外でも診てもらえるという安心感が生まれるでしょう。ちなみに、緊急や夜間診療の際には、通常の治療費以外に追加料金が発生することが多いです。診察を受ける際には、いつもより多めに料金を準備しておきましょう。

処方された薬は正確に、必ず飲ませる

現在猫エイズに対する特効薬はありません。ですが、猫エイズと診断された時にお薬を処方されることがあります。このお薬は、他のウイルスに対する抵抗力をあげたり、栄養面で必要になるサプリメントのようなものが多いようです。ですので、服用する時間帯や回数は必ず守るようにしてください。お薬で猫の健康状態をしっかりとコントロールしてあげましょう。

猫の体や居場所は清潔を保つ

猫の体を濡れたタオルなどで拭いて清潔にしてあげましょう。お風呂はあまりおすすめしません。なぜならお風呂は体力を消耗し、猫によってはストレスに感じてしまうこともあるからです。

元々、猫は体を洗わなくても臭いもしませんし、大丈夫な生き物です。ただ、猫の居場所は定期的に掃除し、清潔にしてあげましょう。この時に、アルコール除菌剤などで拭き掃除をしてあげるとよりいいですね。

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多頭飼いの場合の対処法

猫エイズはお外を自由に行き来できる猫なら、まず疑った方がいい病気です。病院で検査をしたときに、感染が判明したということもあるでしょう。また、野良猫を拾った時などに感染している場合もあります。対処は必要になりますが、猫エイズに感染している子と、感染していない子の多頭飼いで同居をすることも可能なんですよ。

ケージ飼い、別の部屋で生活させる(喧嘩を防ぐ)

相性がいい猫同士なら喧嘩の心配はありませんが、相性が合わない猫同士になると激しい喧嘩をしてしまいます。猫エイズの感染は、猫同士の喧嘩による咬み傷からの感染が主ですので、こういった喧嘩をさせないようにしなくてはいけません。

こういったことから、飼い主さんが不在の時はケージに入れたり、別の部屋で生活させる工夫が必要です。また、猫エイズに感染している猫は、体力が落ちる時期があります。そういった時にゆっくり過ごさせるためにも、ケージに慣らしておくことも大切です。

ただし、本来は感染をゼロにするためには別々の部屋で飼うことがベストです。万が一そういう状況ではない場合のみのお話になります。

避妊、去勢手術をする

猫の交尾でも感染が認められる猫エイズ。交尾を避ける為にも、避妊、去勢手術を受けさせましょう。これは猫エイズに限らず、繁殖を望まないのであれば、今後のストレスフリーな生活のためにも受けさせた方がいいでしょう。

食器を共有させない、トイレを別にする

猫エイズは感染経路がほぼ決まっており、唾液からの感染率は低い傾向があります。では、なぜ食器を分けるのか?についてですが、症状が進むにつれて口内炎などの口の中に症状が出たときに、食欲が落ちる場合があります。

その時に、食事量の管理や、食事の内容を変える必要があるのです。同じ食器なら、どれくらい食べられたのか見分けが付きづらくなってしまうことを考えて、同じ食器を共有することは避けましょう。トイレを分けることも、食器を共有させない理由と同じです。下痢、軟便にいち早く気付くためにもトイレは分けた方が無難でしょう。

完全室内飼いを徹底する

自由に外と室内を行き来することで、一見自由にも見えますが、外には危険がいっぱいなのです。他の伝染病の感染も恐ろしいですし、車が行き交う道路も危険です。猫にとって家の中は外敵がおらず、自分の縄張りで安心できる場所です。お外が好きな猫でも室内で遊べる工夫をしてあげると、家の中でも満足してくれます。

また、猫エイズの進行度合いによって日和見感染を起こすことも忘れてはいけません。日和見感染とは、健康な体であれば感染を起こさないようなウイルスが、抗体力や体力が落ちている時には悪さをし、発症する病気のことです。このウイルスはどこにでもあるような、一般的なウイルスです。日和見感染を防ぐためにも、お外には出さないようにしましょう。

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まとめ

猫エイズは、まだまだ認知度が低い病気です。また、感染したからと言っても、必ず発症するとも限りません。無症状キャリア期で10年以上、無症状の猫も存在するのです。猫の人生で年月を考えると10年という月日は人生の約半分以上です。これは病気でなくても言えることですね。

そして、生き物にはいつか必ず命の終わりが来ます。どんなに頑張ってお世話をしたり、生活していたりしていても、後悔は必ず感じてしまいますね。ですが、「あの時にああすれば良かった」「あの時にこうすれば良かった」よりも「うちの子になってくれてありがとう」と感謝の気持ちが言えるように毎日の生活を送りましょう。

そう考えると、愛猫がもっと愛しく可愛らしく感じませんか?今できることをしてあげたり愛情をかけてあげることで、愛猫にも気持ちが届き、きっと応えようとしてくれるでしょう。猫エイズに対する知識をしっかりと持ち、猫と共に向き合っていくことで、幸せな生活を送れるようにしていきたいですね!







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